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暗闇で恋しましょう

第15章 好奇心8割 真心2割

気持ちの上下は顔に出ていた様で、クスリと水上さんに笑われてしまった。



「……本当、落ち着いちゃって」

「なに?残念?」

「ざぁんねん」



ぷくぅと頬を膨らませば、またクスクス笑われてしまった。


この表情は、水上さんがする予定だったのに。


私がして、どうするのか、と。


はぁと小さく息を吐く。



「泣いてみたり、落ちてみたり、落ち着いてみたり、はたまた怒って、また落ちてる。杏ちゃん、百面相してるの?」



ころころ表情が変わる私が面白いのか、クスクスと水上さんは楽しそう。


笑われて、気分がいいものではないため、お返しとばかりに口を開く。



「水上さんだって、変わらないでしょ?泣いて、怒って、笑って」

「ぅ……お騒がせ、しました………出来れば、忘れて」



忘れるなんて勿体ないことする訳ない。


永久保存ですよ。

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