暗闇で恋しましょう
第16章 回顧①
へっ……くしゅん!
「あー………」
これで一体何回目だ?
と思う程、さっきからくしゃみが止まらない。
寒いのか?
と聞かれれば、確かに今外だしと思うも、寒くは無い。
風邪気味か?
と聞かれれば、違うと即答できる程、体は元気だ。
ならば残るはくだらぬ迷信。
しかも、嫌なことに先程から出るのは1度のくしゃみだけ。
迷信によれば、これは誰かに批判されているか、褒められていることを意味しているらしい。
後半はまずないとして、残すは前半。
それをしているヤツらにも、俺は心当たりがある。
元々迷信など信じる器ではないが、なんせ今回はそれをされて文句を言えないことを俺はした。
泣いた杏を祥人に押し付け、俺は逃走、だもんな
改めて考えると、情けなさ過ぎる。