暗闇で恋しましょう
第17章 回顧②
ぐったりする体を、休める様に、椅子に深く腰を沈める。
異様なものを見るように、祥人は俺を見詰める。
俺も負けず劣らず、言ったよな?と睨み返す。
言われたけど……
音にならない声が、聞こえた気がした。
ならば、祥人は覚悟しておくべきだし、むしろ、これは褒められてもいい快挙だと自負している。
だって、俺が座っているこの椅子、ショッピングセンターの椅子ぞ?
玄関出て倒れると言った男が、そんなものに座れているんだ。
充分すぎるくらいだろ。
「得意げになってるところ悪いが、ここまでの交通手段は?」
「車」
「それを運転したのは?」
「祥人」
「お前が疲れる要素、どこだよ?!」
「家出て車まで歩いたし、車からショッピングセンターまで歩いた」
ほら、な?
疲れる要素になり得るだろうよ