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暗闇で恋しましょう

第17章 回顧②

耳を、塞げばいいのだ。


だけど、これはこれで厄介で。


次に気になるのは人の目。


椅子に座り、項垂れ、耳を塞ぐ。


そんな人がいれば、誰だって見るし、最悪の場合声を掛けられる。


それを恐れてかなんなのか。


脳が手に、耳を塞げと指示をしない。


こんな生き物に仕上げてくれて、本当にやってくれたな、って思う。


不毛すぎる自分の考えに今1度息が漏れる。



……限界が来たら、移動しよう

なんせ今日の俺は連絡手段をしっかり常備しているからな



チャッチャラー……と脳内でテンション低く、効果音をつけて携帯を出してみる。


かかってきた電話を切る、くらいしか操作をしたことが無いこいつ。



今日やっと意味のある道具になれるぞ



無機物に意味もなく、語り掛け、なんとはなしに画面を開いてみる。

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