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暗闇で恋しましょう

第17章 回顧②

しかし、これが悪かった。



「おじさん」

「ねぇ、おじさんってば」

「おーじーさーんー」



しつこいことこの上ない。


祥人のことにプラスしてイライラが募る。



我慢、我慢だ

耐えろ

ただでさえ、手を叩いているのにプラス怒鳴るとか、絶対ダメだ

それに、やはり顔を見るのは……



そんな俺の覚悟など露知らず。



「おじさんおじさんおじさんおじさんおじさん」



少女は狂ったように俺に呼びかける。


俺の覚悟は、それに容易くも崩された。



「おじさ」



「だぁあああ!!!もう!うっせぇな!!そもそも俺は、そんな年、じゃ」



勢いよく顔を上げ、すぐさま後悔が押し寄せる。

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