暗闇で恋しましょう
第1章 私と貴方の関係性
はぁはぁ......
小さいワンルーム、畳の部屋に響くそんな息遣い。
それは、まるで何かから逃げているようで。
だけど、その“何か”はひどく足が早い模様。
嫌。止めて.....来ないで....
思うけど、それの腕はもう既に私のお腹を捕らえていて....
「いやぁああああ!離してぇえええ!」
「うるっせぇ」
ぺんっといい音を出し、私の頭を叩いたそれはーーー
「もうそれ、いいから。早く服着て。男と2人暮らしなのに、なんでいつも全裸なんだよ......」
「“いつも”は語弊だよ。“ひぃちゃんがいる時のみ”これが正しい」
ずいっと人差し指をひぃちゃんに向けて指し、得意気にふふんと鼻を鳴らすけど、その言葉は間髪入れず論破される。
「......それって俺にとっては“いつも”じゃねーか」
正論も正論。
返す言葉が見付からない。
だけど、ここで屈する私ではない。
こういう時はあれだ。
秘技!
「........( ゚д゚)ハッ!そっか!」
“今、気付きましたのおバカアピール”!
こういうのが男性の人はグッとくるのだと、雑誌で読んだ。