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暗闇で恋しましょう

第17章 回顧②

それでも、俺は、確信してしまったんだ。


あいつが産む子は絶対こんな子だった、と。









ーーーーーこの子を育てたい










俺の中に出てきた想い。


間違っていると分かっている。


そもそも人の子だ。


あいつはこの世にいないのだから。


それでも、俺はこの子と家族になりたい。


いや、ならなければ、いけない。






あいつの、ためにも







「……ーう!どこだ?!どこにいる?!」

「あ、お父さんの声。おじさん、ばいばい」



その声にハッとした時には、少女の姿は人混みに消されていた。


無意識に少女に出していた手を、ゆっくり引っ込める。

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