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暗闇で恋しましょう

第19章 説教

私が見てきた“怖い水上さん”なんて序の口中の序の口だった。


その序の口でさえ、頭に焼き付いているのに。



これがモノホンってヤツなんですね……



正直言って、うっすら視界がぼやけた。


これは、ひぃちゃんどうこうって浮かれてる場合じゃない。


今の水上さんにとって、ひぃちゃん関連はきっと全てタブーだ。


だから、万が一、この煩悩を悟られたら………


想像するだけで恐ろしい。


こんな煩悩、早く消し去らなければいけない。


いけない、のに………


記憶の中のひぃちゃんはこれでもかと言うほど、私を誘惑する。


気弱いひぃちゃん根強し。


ギャップ萌え、怖し。


そんなことを思っていれば、体は知らぬ間にこっそり移動を始めようとしてやがる。


ハッと思い立ち、すかさず正座に立て直す。



ダメダメダメ!



ぶんぶんと頭を振って、今1度、去れと強く念じる。

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