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暗闇で恋しましょう

第19章 説教

普段のひぃちゃんを考えると、珍しすぎるその反応は



………なんか、いい……!



当たり前の様に私の心を射止めて下さった。


“もっと見たい”そんな好奇心が生まれたのは数秒絶たず。


善は急げ。


ひぃちゃんが逸らした方向。


尚且つ、水上さんに動きを悟られない位置を推測。


ひぃちゃんと目が合うのは、あの位置。


狙いを定め、こっそり動こうとした矢先の出来事。


すぅ、そんな息を吸う音が聞こえたのは。












「てめぇに杏ちゃんから目を背ける資格がある訳ねぇだろうが!!!!!」
















吐き出された音に、びくりと体は波打ち、ひぃと小さな悲鳴まで漏れ出てしまった。


速やかに体勢も正座に戻す。


あの、水上さんが“てめぇ”なんて言葉を使いなすった。


あんなに乱暴な口調だって、初めて聞いた。

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