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暗闇で恋しましょう

第20章 もやもや

そこまで言ってハッとしたって、何もかも遅くて。


ひぃちゃんの顔には、少しの切なさが垣間見えていた。



「あ………ちが」

「何が違う?その通りだろ?行動も、言葉も何もかも俺は矛盾してるんだよ。お前の言う通り。“逃げ道”なんて言葉、俺は使うべき人間じゃない」



ひぃちゃん、待って。違うの

違うの



弁解の言葉は音にならず、そのまま沈む。


少しの静寂のあと、ひぃちゃんは立ち上がり、歩みは迷わず玄関へ。



「ひ、ひぃちゃ、どこい」

「頭、冷やしてくる」



振り返りもせず、吐いた言葉と同時。


戸が閉まる音が耳を擽った。



…………っっっ………!

私のバカ!!問題増やしてどうすんのよお!!



もやもやは晴れるどころか、より一層深まったのだった。

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