
暗闇で恋しましょう
第23章 救われたんだ①
目を通した書類に印を押し、一休み。
チラリと腕時計を見れば、時刻はそろそろ昼食時。
今頃、杏ちゃんと飛翠は遊園地だし、楽しんでるんだろうなぁ
絶叫で声出して、ホットドックとか食べちゃって?
良いなぁ。土曜出勤とかなくならないかなぁ
なーんて
はっと思わず鼻で笑ってしまう。
だって、恐らく今杏ちゃんは家に1人で、遊園地なんて行ってない。
遊園地にトラウマだけならまだしも、杏ちゃんに図星をつかれ逃亡。
そんな気まずさを自ら+。
それらを払い除けれるほど、飛翠が器用ではないことを、俺は知っている。
知ってはいるが、あいつの行動が最低なことに変わりはない。
