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暗闇で恋しましょう

第24章 救われたんだ②






“褒められたい”


そんな望みは、中学にもなれば男の中で徐々に薄れていった。


一歩大人になり、褒められることへの興味が失せたのは勿論のこと。


最もの理由は、そんな些細な望みすらあの場では叶わない、と自覚したから。


2回叩かれ、冷たい視線を向けられても尚信じていた純粋な自分のことを



あぁ、バカだったな



そう思えるようにまでなっていた。



“普通”に気付く前に戻ればいいだけ

だって、俺にとってはこれが普通なんだから



言い聞かせて言い聞かせて。



“×××は本当に素晴らしい。今回もまた1位だ。この成績ならかの有名国立にも首席合格だな”

「ありがとうございます」


当たり前


“×××、また1位かよ。スタミナ、どうなってんだ。すげぇけどさ、たまには譲れよー”

「はは、ごめんって」



当たり前

当たり前なんだよ。全て


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