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暗闇で恋しましょう

第24章 救われたんだ②

ただでさえ、仲良くないというのに。


それに、視線。


怖いくらい、真っ直ぐな視線が男に突き刺さっている。


嘘の笑顔も気持ちもーーーー弱い心でさえ。


全てを見透かすようなそれが男は怖くなり、逃げようと試みる。



「じゃ、じゃあ僕は、これで」



踵を返し、いつもより大きく一歩を踏み出す男。


しかし、体は後ろに引かれ、次の一歩は踏み出せず。


どう考えても、原因は後ろの男子。


見れば、やはりというか腕を掴む男子の手が見えた。


なんとか振り解こうとするも、強すぎてびくともしない。



ほ、本当、なんなの?一体



沈黙を破ろうとするでもなく、この場から離れようともしない。

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