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暗闇で恋しましょう

第24章 救われたんだ②

この現状は受け入れる他ないのだ、と男は自分に再三言い聞かせ、声の方に振り向く。


目に写ったのは、同級生の男子で見知った顔。


所謂ムードメーカー的存在で、よく目立っていた。


でも、こんな1対1で話す様な間柄ではなかったはず。


話したことがないと言えば嘘になるけれど。


疑問は浮かべど、聞くようなことでもない。


だからいつもの如く、表面だけの笑顔を作り男は言葉を吐く。



「ありがとう」

“…………………”


「………………」


“…………………”



返されないから、返せない。


その結果、落とされる沈黙。



なんなんだろ………この沈黙……



正直言って、気まず過ぎる。

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