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暗闇で恋しましょう

第25章 救われたんだ③

その言葉で、自分が眠りについていたことを知る。



あの鮮明な光景は夢か



杏ちゃんに話した内容を思い返しながら、そのまま眠りにつき、夢にまで見たわけだ。



「………副社長?大丈夫ですか?」

「あぁ、うん。大丈夫。懐かしい夢を見て。ちょっとね」



ふぅと一息ついて、椅子に深く腰掛ける。


もうあれから何十年経ったことか。


あの頃とは随分、状況が変わってしまった。


でも、飛翠が俺にくれたものは変わらず胸の奥にあって。



「さ、仕事しよっか」

「はい。では、まずこちらの資料から」



俺は少しでも返せているのだろうか。


それの答えは未だ見い出せず。


今日は今日とて、飛翠を救う言葉を俺は探すのだ。

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