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暗闇で恋しましょう

第28章 俺とあいつとそしてーー……

体自体が温かい理由は分かった。


だけど、右手のこの、体以上の温かさはなんなんだろう?


同じ布団に入っている温かさではない。


この温かさは確実に布団+何か、だ。



「………起きた、か?」



確認するように右側からかけられた言葉。


向けば、声の主ひぃちゃんがいて。


眠そうな目とくわえ、欠伸をしていた。



あれ………?ひぃちゃん、なんで、そんなところにいるの?



私は、ひぃちゃんは自分の布団にいるものだとばかり。


さっき、起きて、ここに移動した?


なんのために?


分からないならば、出てきた可能性。



…………もしかして、もしか、しなくても………

ひぃちゃん、一晩そこに居たの………?

座って、ずっと?



きゅぅうんと胸が締め付けられるのが分かった。

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