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暗闇で恋しましょう

第28章 俺とあいつとそしてーー……

離す、とはなんのことだろう。


分かってない様子の私に、気付いたひぃちゃんが見せてくれたのは



「だから、これ」



私の右手と繋がれたひぃちゃんの右手。



あー、なるほど

右手が温かかったのは、ひぃちゃんの体温もあったからかぁ



「きゃあ!」



その事実に思わず悲鳴を上げ、自分の手を引く。


謎は解明されたものの、一体全体どういう訳でこうなった。



「“きゃあ”って…………言っとくが、お前が掴んできたんだからな?ああなってたのは、俺が原因じゃない」



若干、私の悲鳴に傷付いたらしいひぃちゃんが、弁明の如く言葉を紡いだ。


それにしても、私が掴んだだって?


記憶が全くない、ということは、寝たあとの行動。

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