暗闇で恋しましょう
第29章 俺とあいつとそしてーー……②
あの言葉以降、ひぃちゃんはどこか悩んでいて。
過去のことが語られる気配が一向にない。
これはよもや、私はまた期待し損というやつを経験するのだろうか。
もうここまで来たら、そんな展開に慣れはした。
だけど、昨日の質問の答えにさっきの質問の答え。
それに、ひぃちゃんの過去。
ひぃちゃん、ちょっと私に話さなさすぎでは?
どれか1つはいただけないと、私も腑に落ちないというか、なんというか。
「……………どっから話すか」
私のその考えは不毛というように、ぽつりとひぃちゃんが呟く。
どうやら話してくれる気ではあるらしい。
それならば、騒ぎ立てるのはお門違いだ。