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暗闇で恋しましょう

第29章 俺とあいつとそしてーー……②

それでも、俺の中の何かが口揃えて“追え”っつったから。


気付けば、俺は女性を追い掛けて、その細い腕を掴んでいた。



「はぁ、はぁ…………待って、くれ………げほっ」

「はぁ、はぁ…………あ、あの、はぁ………大丈夫、です、か?」

「?げほ、なに、が……げほっごほっ」

「先程、気分が悪そうな様子でしたので……そんな状態で、全力疾走なんてしたら………」

「…………」


人間、忘れていたものを思い出すと、不思議なことに体がその時に戻るらしく。


気持ち悪さがぶり返した俺は、その場にしゃがみこんでしまった。



「!?大丈夫ですか?!」



見ず知らずの女性見て、勝手に吹き出して。


追いかけて、捕まえて勝手に体調悪いのぶり返して、心配させている。

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