『暗闇で恋しましょう』第30章「俺とあいつとそしてーー……③」　384ページ

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暗闇で恋しましょう

第30章俺とあいつとそしてーー……③

例によって、それを取ったのもまた、他でもない祥人だった。

「守さんの遺品整理をお前としたいんだってよ。ちょうど今、守さんの親父さんいないらしい」

「………………」

「……お前に聞きたいこともあるってさ」

「………………」

「………ﾁｯ…いつまでてめぇはそうやってしょぼくれてんだ！あれからずっと、守さんのお袋さんはお前を気にかけてくれてんのに！！」

「………………」

「お前が、そんなんじゃ、いつまで経っても！……………っ………はぁ……もう、いい。生きてても死んでる、みたいなやつに何言っても無駄だな。でも、男なら誠意は見せろ。無理してでも守さんのお袋さんに元気な姿見せろ。いいな？」

返事は待たずして、というか待ってもらったところで、返事をする気はなかったんだが。

俺は、守の実家の前に捨て置かれた。