暗闇で恋しましょう
第30章 俺とあいつとそしてーー……③
その表情にはやはり怒りはなく、穏やかそのもので。
「………きっと守はね、望まないと思ったの」
「落ちてしまった貴方を責めること」
「そして、支えてほしいと願うこと。母親ですもの。亡くなっているとはいえ、娘の願い、叶えなくてどうするの」
俺の頬を包んでくれた彼女の手が、温かくて優しくて。
気付けば涙を流していた。
あの日以来だった。
感情が表に出るのは。
「それに、私は知ってるのよ。貴方自分を責めるばっかりであの日のこと全く話してくれないけど、貴方のことだわ。守が観覧車行こうとするの止めたんじゃない?そんな子を一方的に責めるなんて出来ないわよ。だって貴方は足掻いてみせたじゃない」
あの時みたいに喚くことはしなかったけど、あの日くらい涙が出た。
静かに静かに泣く俺を彼女は、静かに温かく見守ってくれていた。
「………きっと守はね、望まないと思ったの」
「落ちてしまった貴方を責めること」
「そして、支えてほしいと願うこと。母親ですもの。亡くなっているとはいえ、娘の願い、叶えなくてどうするの」
俺の頬を包んでくれた彼女の手が、温かくて優しくて。
気付けば涙を流していた。
あの日以来だった。
感情が表に出るのは。
「それに、私は知ってるのよ。貴方自分を責めるばっかりであの日のこと全く話してくれないけど、貴方のことだわ。守が観覧車行こうとするの止めたんじゃない?そんな子を一方的に責めるなんて出来ないわよ。だって貴方は足掻いてみせたじゃない」
あの時みたいに喚くことはしなかったけど、あの日くらい涙が出た。
静かに静かに泣く俺を彼女は、静かに温かく見守ってくれていた。