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暗闇で恋しましょう

第32章 遊園地




「ゆ、遊園地?!」

「そう。遊園地」

「あのいろんな遊具があって、ひぃちゃんがドタキャンした遊園地?!」

「ぅ…………そ、う、だよ」



ひぃちゃんのいつの日かの罪悪感を抉ったようだが、今そんなことは気にするに値しない。


昨日の今日で、ひぃちゃんに何があったと言うのだろう。


だって、“遊園地”って。


ひぃちゃんの口から。


辛いんじゃ、ないの?


怖いんじゃ、ないの?



「喜んでいいのかどうか分かんないって顔してるな」



私の頭をぐしゃりとし、微笑するひぃちゃん。


昨日の話を聞いた私に、素直に喜べと言うのか。


それは少し、酷過ぎる。



「…………行きたく、ないか?」

「っ……」



その聞き方は、ずるい。


だって、心の奥底。


あるのは“行きたい”、そんな思いで。

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