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暗闇で恋しましょう

第32章 遊園地

本当に不思議そうな顔をしちゃって。


そんな風に装って、私を騙そうだなんてそうはいかない。



「……ひぃちゃん、顔色良くない。無理してるよね。やっぱりかえ」

「あぁ。人に酔ったんだろ。そういや、朝からなんも食べてないな。それも原因か。なんか食うか」



私の力など、物ともしないひぃちゃんは手首を掴んでいる私の手をいとも簡単に外した。


そして、その手を掴み、きゅっと握るもんだから私は言葉を失う。



「まあ、とは言っても、無理してねぇって言ったら嘘になる。だから、なんつーか………安心感を得る為にこうさせといてくれ」



握っている私の手を見せるよう掲げるひぃちゃん。


私は絶賛放心中。

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