テキストサイズ

暗闇で恋しましょう

第32章 遊園地

ひぃちゃんはちゃんと、答えとなる言葉を紡いでくれた。



「手は、さっきのが理由。遊園地、は…………“お前と”来たいと思ったから、かな」



お前と、をなぜか強調したひぃちゃん。


ちらりと私を見遣り、私の頭にぽんと手を置いた。



「安心、したか?」



なんのことやら分からないものの、確かにホッとしている自分がいて。


何に対して安心したのか、少し考え、思い当たる節、1点。



………そっか、私………



どこかで、思ってたんだ。


ひぃちゃんの口から“遊園地”と出た時。


ひぃちゃんは、私を守さんに見立てて、守さんと遊園地に行きたいんだって。


だから、ひぃちゃんの口から、“私と”って言ってもらえて、私はーー


私自身、今自覚したと言うのに、ひぃちゃんは一体いつ……


その疑問は、どうやら問いたださせてはくれないらしい。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ