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暗闇で恋しましょう

第32章 遊園地

その話はここで終わり、と言わんばかり、私の目の前。


見せられたのはひぃちゃんに掴まれてる私の手で。



「安心と理解、できたなら、握り返してもらっていいですか?」



さっきは尻尾と耳が見えたのに、今は燕尾服が見える。


敬語=執事と変換される私の脳内よ。


でも、見えさせるひぃちゃんもまた立派なもんよ。



「……………」



なんて下らない事を考えていると、見えるひぃちゃんの手。


1本、また1本と指が私の手から離れていくではありませんか。



「!」



慌てて止めるように、ぎゅっと握れば、離れた指は元通り。


きゅっと今1度、私の手を握り直した。


そして、実感する。


今私はひぃちゃんと手を繋いでいるんだ、と。

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