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暗闇で恋しましょう

第32章 遊園地

やっぱり、どんな言動をしていてもひぃちゃんはひぃちゃんだ。


空気読めないし、乙女心だって分かりやしない。


多少の安心感は得たものの、ムカムカする胸の内。


行くぞと言い、歩き出したひぃちゃんの背に、腹いせとばかり、いーっとして見せる。



…………あれ?



そして、気付く。


ひぃちゃんの変化。


耳が仄かに赤らんでいる。


もしかして、もしかしなくても



今のって、照れ隠し………?



前言撤回。


やっぱり今日のひぃちゃんは、いつものひぃちゃんとは似ても似つかない。


この調子が今日1日続くとして、私の心はもつのだろうか………


もつ様子のない私の心臓はうるさいまま、私とひぃちゃんはゲートを潜ったのだった。

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