暗闇で恋しましょう
第33章 だから、きっと、この涙は
遠くから見ていた観覧車。
目の前に迫れば、迫力があるもので。
見上げるてっぺんは遥か彼方。
全長は一体何mなんだろう。
なんて考えて気を紛らわせてみる。
だけど、やはり過ぎってしまうのは守さんの、こと。
ひぃちゃんは一体、どのくらいの距離で、守さんが落ちるのを見たんだろう。
考えている私の手を握る、ひぃちゃんの手に、力がこもっているのが伝わる。
そんなひぃちゃんをちらりと盗み見。
顔色は、悪くない。
冷や汗も、かいていない。
大丈夫そうに、見えるけど、大丈夫な訳、なくて。
「……………高いな」
「………そうだね」
見上げ、呟くひぃちゃんはどこか儚げ。