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暗闇で恋しましょう

第33章 だから、きっと、この涙は

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観覧車に乗って、ふぅ、と一息。


………つけるはずもなく。


ただでさえひぃちゃんの言葉で気が気でないと言うのに。


ひぃちゃんというやつは、観覧車に乗る時、私の手を引き、エスコートしてくださりやがった。


動いている物体に乗るなんて初めての私が、へっぴり腰になったのも悪いんですが。


その姿は、正にThe☆王子様。


今思い出しても、心臓に悪い。


そして、乗ってしまったからこそ、明確に気になり出すのは、ひぃちゃんの言葉。


観覧車に乗ってからどれくらい経つ?

てっぺんってもうそろそろ?


そんなことがずーっと頭の中をループして、そわそわそわそわしてる。


言った本人は、向かいに座り、ずっと外を眺めてるので杞憂な気がしてならないけれど。


私は、ひぃちゃんのそんな様子を直視出来ずにいるというのに………!

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