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暗闇で恋しましょう

第33章 だから、きっと、この涙は

何かがすとんと落ちたような感覚。


1番近い感情は、恐らく、安堵だ。



「あー、もう、本当、どうしたらなきや………あ」



視線を外に向けたことで、何かを思い出したらしいひぃちゃん。



「…………ちょうどいい」



ボソリと呟いたかと思えば、次の瞬間。


ちゅっとリップ音がし、おでこに柔らかい感触を得る。



………へ?



至近距離でぶつかる視線。


未だ起きた事を把握していない私をよそに、ひぃちゃんからのリップ音は止まず。


その音は、目元、鼻、頬と移動していき………


そしてーー



「ストップ!!!」



降りるは唇、といったところで私の限界が越えた。



「泣き止んだな」



こんなことをされたら、驚きやら混乱やらで涙だって引っ込む。

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