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暗闇で恋しましょう

第34章 これからも…………なんて

案の定、声の主、ひぃちゃんから、笑いが漏れた。



「ふっ………遅せぇよ。隠すの。それにここ来るまでもずーーっと心音伝わってたし。何思ってたんだか」



そうですよねぇ

バレてたよねぇ



しかも、笑われている、ということはバカにされてるってことで。


やり遂げたってこともめでたくなしになった。


……と、思うけど、その声音、バカにしている風では決してなくて。


なんとなく、ひぃちゃんが今、どんな顔をしているのか気になった。


だから、顔を隠している手をどけ、ちらりと盗み見。


見えたひぃちゃん。


車のハンドルに寄りかかって、見たことないくらい穏やかな笑顔を私に向けていた。

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