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暗闇で恋しましょう

第35章 そして、これからも

水上さんは、それでも、ひぃちゃんとの約束なのだろう。


ぺこりと他人行儀に私に向けてお辞儀をして見せた。


私も合わせるように頭を下げる。



「あのね、杏。念の為、明日からカウンセリングが」

「お母さん……」



にこりとお母さんに向けて、微笑む私。


一瞬の間。


だけど、流石と言うべきか。


お母さんは、すぐに何かを察したように、水上さんをちらりと見た。


その顔は、複雑そうに歪んでいて。


それでも、久しぶりの娘の願いを無下にはしたくなかったんだろう。



「…………あなた、車出してくれる?」

「え?」

「杏、お腹空いたって。何か買ってきましょう。私たちの分も含めて」

「あ、あぁ。でも、杏が1人に」

「ほら、はーやーくー。愛娘がお腹空いてるの」

「う、ん………」



お父さんはどこか納得してない様子。

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