
暗闇で恋しましょう
第37章 幸せな話
「行かねぇよ。どこにも」
きゅっと俺の小指を掴んだその手に、指を絡めることで安心させる。
そっかと呟き、再度眠りについた杏はどこかホッとしていて。
この安心を、杏に俺はいつまであげられるだろう。
正直、そんなことを考え出してたらその他諸々を含め、キリがないんだけど。
でも……俺は今、きっと笑ってる。
大丈夫。
“幸せ”をしっかり感じている。
だから、杏、話をしよう。
お前が、起きた、その時に。
話すのも嫌だけど、ちゃんとしたちょっと堅苦しい話。
それからーー
“2人で”描くこれからの“幸せの話”を目一杯
End
