
暗闇で恋しましょう
第38章 幸せに
「っ」
させるか………させるかよ!
お前1人で罪を背負うなんて絶対に!!
「違う!!俺は!」
真実を告げようとする俺に、飛翠が目を向けた。
静かに真っ直ぐ。
『暫くの間、杏のこと頼んだわ』
そう言うように。
何が、頼むだ
自分でしろよ……自分が側に、居てやれよ
杏ちゃんが望んでるのは、お前、なのに
思いは口に出ず、“自白”も口に出ず。
どうしたって、俺は飛翠の“頼み事”を蹴ることなんてできやしない。
ずるい
お前は、ずるいよ………
「飛翠……………」
俺は、何も出来ないまま、警察に連れて行かれる飛翠の背を見詰めていた。
