暗闇で恋しましょう
第6章 罪を背負うのは
分かっているから、言ってなんてやらない。
「…………そーですね」
「どこの昼番だよ」
「あれもう終わったろ」
「終わったけども」
ぐいっと伸びをし、ふぅと息を吐く。
さっきまでの空気が、悔やまれたのかそれと共に漏れたのは杏の話題。
「あいつ………もう暗闇、怖がらないんだ。この前、俺の服、頭に被せてやったのに、震えるなんて愚か、アホらしい発想に行き着きやがった」
沈黙が数秒。
その後、漏れたのは小さな笑いで。
「なんだ。お前も存外、ちゃんと杏ちゃんのこと思ってるんだな」
その声の主にうるせぇとげしっと蹴りを入れてやる。
いたたと言いながらも、その顔嬉しそうで。
どこか腑に落ちない。
そんな俺に追い討ちのように
「良かったな。飛翠」
穏やかにそう呟く祥人。
「.....何が」
「.....いーや。別に。じゃあ、俺、戻るわ」
「戻って怒られちまえ」
「はいはい。じゃあ、また」
「んー」
祥人の顔は見ず、ひらりと手だけ振る。
煙草をもう1本くわえて、火をつけて。
ふぅと俺は、暖かくなった内を冷ますよう長々しく煙を吐いた。
「…………そーですね」
「どこの昼番だよ」
「あれもう終わったろ」
「終わったけども」
ぐいっと伸びをし、ふぅと息を吐く。
さっきまでの空気が、悔やまれたのかそれと共に漏れたのは杏の話題。
「あいつ………もう暗闇、怖がらないんだ。この前、俺の服、頭に被せてやったのに、震えるなんて愚か、アホらしい発想に行き着きやがった」
沈黙が数秒。
その後、漏れたのは小さな笑いで。
「なんだ。お前も存外、ちゃんと杏ちゃんのこと思ってるんだな」
その声の主にうるせぇとげしっと蹴りを入れてやる。
いたたと言いながらも、その顔嬉しそうで。
どこか腑に落ちない。
そんな俺に追い討ちのように
「良かったな。飛翠」
穏やかにそう呟く祥人。
「.....何が」
「.....いーや。別に。じゃあ、俺、戻るわ」
「戻って怒られちまえ」
「はいはい。じゃあ、また」
「んー」
祥人の顔は見ず、ひらりと手だけ振る。
煙草をもう1本くわえて、火をつけて。
ふぅと俺は、暖かくなった内を冷ますよう長々しく煙を吐いた。