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暗闇で恋しましょう

第8章 お買い物1

カップには先端こそ既にないが、抹茶色をしたソフトクリームがあって。



「ん」



早く取れと言わんばかりに、再度私に差し出しているものもカップで。


どうやら、私にもソフトクリームも買ってくれたらしい。



ほう……気が効くではないか

褒めてしんぜよう!



という名の口実で、ただひぃちゃんに触れてみたいだけなのだけど。


背伸びをすれど、手がひぃちゃんの頭に届かない。


私の手が短いのか……否!ひぃちゃんが高いのだ!



「…………」



あぁ、刺さる視線が痛い。


背伸びを止め、ありがとうの意を込め頭を下げてから大人しくカップを受け取る。


見えた先端ピンク色で。



………ストロベリーだ



私が1番好きな味。


覚えてて、くれたんだ。


たちまちジーンと胸に染み渡る暖かいもの。


本当ずるい。



女心、容赦なく踏みにじるから、どうせ枯れた青春時代送ってたんだろうなぁって思うと、こんなんするんだもんなぁ



これだから、“好き”が止められない。



「ありがとう。ひぃちゃん」



感謝の気持ちだけじゃなく、好きもちょっとだけ入れて、今度は言葉にしてお礼を言う。

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