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暗闇で恋しましょう

第9章 お買い物2

見えたのは、可愛い腕時計達で。


見た目によらず、本当はこういうものが……?


少し引くも、見える腕時計はどれもこれも可愛くて。


ワクワク感が私を襲う。



「……やっぱり、欲しかったのか?腕時計」



……ん?


“やっぱり”、とは……


というか、うっかり可愛いものに絆されそうだったけど、これはひぃちゃんが再放送から逃げるための演技だった。


危ない危ない。


やっとこっちを見てくれた事だし、ここははっきり申し上げてしんぜよう!



「ひぃちゃん。私の相手が面倒臭いなら面倒臭いって言ってよ!こんな演技された方がどっちかっていうと傷つくよ!」

「…………?演技?というか、面倒だったら言っていいのか」

「嫌だけど!」

「どっちだよ」



はぁと溜め息吐くけど、吐きたいのはこっちなんだけども?!


しかも今、“演技?”ってしらばっくれようとしたな!


許すまじ!



「つーか、演技って」

「だーかーら!いつも、っていうかどう考えてもこんなとこひぃちゃん興味無い癖に、私が話すの邪魔するために、思い出したかのように来ちゃって!まるで用事があったかのように、じっと見てるけど、その心、バレバレって言ってるの!」

「……何言ってるか知らんが、逃げるためだとしてもこんなとこ来ねぇよ。普通に恥ずかしいし」

「でも、1番……あの店から、近いし…」



言ってて、非常に悲しくなってきた。

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