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暗闇で恋しましょう

第9章 お買い物2

これ、全部ひぃちゃんの本心なんだ…


あ、どうしよう。


涙腺が。



「!!何で泣きそうになるんだよ!!」

「だって、ひぃちゃんひどい……」

「はぁ?!言ってる事訳分かんねぇし……何で一方的に悪者にされなきゃいけねぇワケ?お前、勘違いも大概にしろよ」



……何だか、ひぃちゃん怒ってる。


眉間にシワ寄ってるし、口調も強いし。


首痛い系男子だし……それは、様になってるけど……


………普通に怖い。


視界も霞むってものだ。



「!?おい!泣くな!強く言い過ぎたよ!」

「ひぃちゃん……怖い…」

「分かった!悪かったよ!でも、勘違いは勘違いだからな。俺はここに、用事があって来たんだよ!」



男は女の涙に弱い、とは正にこのことだ。


ひぃちゃんのことだからてっきり


“泣くなら置いて帰る”


そう冷たく言い放って、私に背を向けると思ってたのに。


ここまで必死になるとは。


この先もいろいろ使えそうだ。


でも、今はあまりに焦るひぃちゃんが可哀想なんで涙を拭うとしよう。



「……用事って…」



ジト目でじっと見詰めるのは、まだ疑ってるから。

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