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暗闇で恋しましょう

第9章 お買い物2

でも、言える訳ない。


そんな真実。


あの腕時計については、触れないと密かに決めているから。



「……?お門違いだったか?」

「ん?ううん。合ってるよ。でも外出しないし、私する意味無いなーって思ったとこ」

「………そうだな」



だから、そんな言葉で隠すの。



「……そういや、お前」

「ん?」

「言いたい事があったみたいだな」

「………?」

「……お前、自分の発言にちゃんと責任持てよ」



そうは言われましても、一々覚えてないですよ。


えぇ、はい。



「“私が話すの邪魔した”っつったよな?邪魔したっつーか、俺としては気付かなかっただけなんだが……今でも良いなら、聞くけど」



…言いましたね。


良く覚えてらっしゃったようで。


しかし、計画なんてなく行き当たりばったりな私。


言うことなんてその場で決めてるんだから、覚えてる云々の前の話だ。


どうせあの時言ったって、大した事言ってない。



「良いよ。忘れちゃったし」



敢えて、“忘れた”ということにするけど。



“内容が無いよう”なんて格好悪くてねぇ



しかし、私は甘かった。

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