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肉食系な彼氏。

第5章 小さな羊と狼さん

「ほんとっ!?
絶対だよ?約束なんだよ?
わかった!?」


うつ向いていた顔が
真っ直ぐ前を向き直し
何度も確認する奏くんを見て
くすっと笑いがこぼれる


「うん、約束。」


そう言いきった


今思えば小さい頃の恋なんて
本当に好きかどうかもわからないようなもので
"友達"という存在とさほど
変わらないようなものだったと思う

だけどあの時のあたしは
これを純粋な恋だと受け取った

お母さんやお父さんがしてきた"恋愛"というもの、
"好き"という感情そのものだと感じていた。



チュッ


「大人の人はね、結婚式で
ちゅうするんだよ!
だから僕も。」


一瞬だけ触れた唇

大人になったような気分だった


優越感や自己満足に支配されていた




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