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斉藤太一です

第13章 再会と約束

ふと


表札が目に入り

ふたつだけ
並ぶ
名前に見入った



野々村かすみ・しずく



本当に
2人きりなんだな…



その時僕は
かすみのフルネームを
はじめて知った


あの頃

そんな事さえ
僕は君に
何も聞かないままで

君は
僕に
何も話さないままだったね



僕が
もっと色々聞いていれば
かすみは
僕に
心を開いていたかも
しれない


しずくのことを
話してくれたのかもしれないのに…




ガチャっ



「あっ…」



ドアが開いて
しずくが顔を出した



「おとーさん

ママがもういいよって」





「あ、うん

ありがとう」




しずくが


僕を

迎え入れてくれて



玄関の中に入ると


そこには

エプロンをした
かすみが
立っていた

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