斉藤太一です
第3章 大人って・・・つまらないね
あぁそうだ
こんなことを
思い出したよ
君が
僕の部屋に来た時
びしょぬれだったから
髪や顔を
拭いてあげたんだよ
君は
いつも
すごくお化粧をしていて
でも
その日は
雨でぐちゃぐちゃに
なっていて
かわいそうだから
顔を拭いてあげたんだ
そうしたらね
拭けば拭くほど
君の顔が黒くなって
どんどん
汚れてしまって
僕は
焦ったんだよ
君が目をさまして
この顔をみたら
僕の事を
ひどく叱るんじゃないかって
思ったんだよ
だから
必死で
君の顔を綺麗にしたんだ
その綺麗になった
君の顔は
ほんとうに
綺麗だったよ
僕は
お化粧なんてしていない
君の方が
好きだよ