斉藤太一です
第16章 ぶつける感情・吐き出す感情
驚いた顔の
かすみが
目を伏せて
涙を流した
いつもそう
僕は…
君を
泣かせることしか
できない
ダメな男なんだ
ごめんね…かすみ
「斉藤さん」
「・・ん?」
「電気・・・消してくれる?」
「え?・・」
「話したいこと
あるんだけど
明るいと
・・言えない」
「・・うん・・わかった」
さよならだね
かすみ
電気を消したら
出て行ってしまうんだろ?
あの時のように
帰るねって
そう言って
二度と
僕の前には
あらわれないんだ
仕方ないよ
僕が
こんな男だから…。