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斉藤太一です

第23章 誕生日


部屋の電気が
真っ暗になり
しばらくすると
クラッカーの音が
鳴り響いた


「わっ、な、なんだ?」


そして
暗闇の中

クスクスと笑う声が聞こえて

向こうの部屋から
ゆらゆらと
ロウソクの火が
近づいてきた


ロウソクの
灯りの向こうには

しずくの
笑顔


そして
その後ろには
しずくが持つ
ケーキを支えて
背をかがめてるかすみが見えた


あぁ、そうか・・

自分の
誕生日なんて
忘れていたよ



「おとーさん
お誕生日おめでと~~」


しずく・・・



「はーぴばーすでー
とぅーゆー・・・」


しずくとかすみの合唱が
響き渡る

嬉しくて
たまらないよ・・。



「早く!
おとーさん
早く消してよ~~」


しずくが
ケーキをテーブルに置き
僕の腕を叩いた


「あ、う、うんそうだね」


「ケーキが
食べられなくなっちゃう!」


(笑)


ロウソクが垂れて
ケーキがダメになってしまうのを
気にしてるらしい

僕は
そんなしずくが
可愛くて
仕方がない


せがまれて
急いでロウソクの火を消すと


「やった~!!」


と、しずくは
喜んだ


やっとケーキを
食べられるからだろう

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