テキストサイズ

斉藤太一です

第4章 番号教えて

僕が
何も言えないでいたら

君は
こんなことを
質問したんだったね



「男の人が・・好きなの?」



男の人しか
愛せない
そう答えたら

君は
安心したかな


安心して
また
ココに来てくれるのかな


それとも



そうだと
言ったら



もう・・・



ここには
来てくれないのかな





「違うよ


僕は

女の人が
好きなんだ

何度か
彼女もいたよ・・」





君が
どんな顔をしているのか

僕は
急に知りたくなって



そう言ったあと

僕は
顔をあげたんだったね




まだ
君は
僕を見つめていて

その瞳が
少し


潤んでいて




そんな君を見ていたら
僕は


どうしようもなく
全てを
話してしまいたく
なったんだ



早く



早く君に
全部
話さなくちゃ


そして
早く


君の話を聞いてあげなくちゃ





そう


思ったんだ






「わかってたんだ


セックスするためだけに
誘われてるって


途中から
気が付いてたんだ




でも




あの人から
離れられなくなって



その・・


好きだよって
言ってくれたんだ




僕が
服を脱ぐと
そう言ってくれたんだ



優しかったし



その人に
必要とされてるって
思えて

ほんとうに



うれしかったんだよ




寂しくて
たまらなくて

その人を
失うのが
こわくて




あ・・ごめん
どうしちゃったのかな





話してんだろ


ごめんね




あ・・・ほんと


ごめん・・」





ストーリーメニュー

TOPTOPへ