斉藤太一です
第7章 一生、やり続けるの?
「向いてないのに
どうして
その仕事やってるの?」
そう
そうやって
かすみは
いつも
僕を動揺させたね
どうして・・かな・・
あれ・・
どうしてだろう
こんなに
向いてないのに。
「お給料がいいの?」
「いや・・契約がとれないからね
そうでもないよ」
「じゃあ・・どうして?」
「う~ん・・・・」
大学を卒業して
やっと決まった就職先なんだ
もう
7年も勤めてる
今から
再就職なんて・・
僕には無理そうだから・・・
だから・・かな・・
え・・・
そんな理由?
それだけの理由で
僕は
この仕事を
頑張ってるのか?
はっとしたよ。
そんなこと
考えたこと
なかったからね。
漠然と
こんな仕事
辞めたい・・・と
思ったことはあったけど
どうして
続けてるのかなんて
考えたことなかったんだよ
「やめちゃえばいいのに」