斉藤太一です
第7章 一生、やり続けるの?
そんな簡単には
いかないよ・・
生活もあるし
転職だって簡単じゃない
僕はもう・・29歳なんだ
君みたいに
若くはない
ゲームみたいに
違うコースになんて
すぐ
変えられないんだ
「やめられないよ・・」
「ふ~ん・・」
それから君は
僕の部屋を
見回して
なにか
考え事をしているみたいだった
「でも・・・・
でもね
僕が
かすみちゃんに
声をかけた時
付き合ってた、彼のことと
仕事のストレスで
押しつぶされそうに
なってたんだ
今、ひとつ
彼のことがふっきれて
少し楽になったけど
仕事のことは
ずっと
悩んでるよ・・・」
「斉藤さん」
「ん?」
「その仕事向いてないんだよね?」
「・・・多分」
「それでも
一生、やり続けるの?」