嘘
第13章 ちゃんと見せて
篤「可愛くて仕事に一生懸命で、でも顔
に出さなくて」
結衣「そっ、そうかな…」
篤「だけど俺にはさくらがいたし結衣に
も彼がいた」
結衣「…ぅんっ」
篤「叶わない恋だって自分に言い聞かせ
て必死に諦めようとしたんだ」
結衣「…」
篤「でもあの日、雑誌の創刊パーティー
で酔っ払った結衣を見つけて…介抱して
家まで送って…」
結衣「…」
篤「初めて結衣に触れて…ドキドキして
止まらなくなって…」
結衣「…」
篤「でも恋人にはなれない…それなら…
それなら嫌々でも期間限定でもいいって
思って」
結衣「…バカッ」
胸がキュンとした
初めて知った篤の恋心に
だけど知った時にはもう遅くて…
篤「俺はさくらを幸せにする」
結衣「…」
篤「さくらの耳が聞こえなくなったのは
俺のせいなんだ、だから…」
結衣「…」
篤「結衣は彼氏と幸せになれよ」
結衣「…篤さん」
篤「約束な」
結衣「…はいっ」