嘘
第17章 物語の始まり
篤「…終わった」
今日の業務を終え帰ろうとした篤
だけど編集部にはまだ
結衣がいた
桃子「先輩、帰らないんですか?」
結衣「フォルダーの整理が終わってない
からね」
桃子「そんな事言って…また田口さんに
押し付けられたんでしょう?」
結衣「田口さん、今彼女と喧嘩中だから
代わってあげたの」
桃子「それを言うなら先輩だって彼氏と
会えてないって言ってたじゃないですか
寂しくないんですか?」
結衣「寂しいよ、寂しいけど…」
篤「…」
やっぱり
彼女には彼氏がいた
わかってた事だけど切なかった
彼女を助けてあげたい
だけど助けたら彼氏と会ってしまう
仕事で縛れるならと篤は見て見ぬふりを
し会社を出た
篤「…小っさい男だな…俺…」