嘘
第5章 気になる彼女
結衣「…ごめんなさい」
さくら「慣れてるから気にしないで」
結衣「…」
今思えば納得出来た
何故、篤がさくらの右に座ったのか
何故、耳元で囁いたのか
何故
何故…
結衣「…」
全部彼女の為
全部、さくらの為にしていた事
さくら「行きましょう」
結衣「…うんっ」
『慣れてるから気にしないで』
そう言ってくれたけど
本当は言われ慣れているはずなどない
きっと今までも
今だって本当は辛かったはず
なのに、さくらは文句の一つも言わず笑
っている
結衣「…」
芯の強い女性だった