嘘
第2章 一時の幸せ
結衣「見て見て、これかわいい」
慶一郎「本当だ」
目的もなく買い物を楽しんだ二人
付き合いたての頃は
遊園地だ、動物園だ、水族館など
デートの定番という場所でデートをして
いたけど今は違う
どこでもいい
ただ一緒にいられれば
彼の側にいられればそれだけで結衣は
幸せだった
慶一郎「仕事の方はどう?新しい雑誌の
担当になったんだろう」
結衣「うんっ、まあ…ね…」
慶一郎「何」
結衣「…実はね」
日頃の頑張りが評価され
新しいファッション雑誌の担当を任され
た結衣
担当といっても
まだ補佐的な立場だったが
最初の頃に比べたら大きな進歩だった
だけど…
結衣「新しい上司と合わなくて…」
慶一郎「変な上司なの?」
結衣「変な上司じゃないけど…なんか
苦手で…」
慶一郎「ふ~ん」
結衣「かっこいいって周りの女の子達は
騒いでるけど…」
新しい上司
結衣はどこか苦手だった
だけど職場だけの付き合いだし
必要以上、関わらないようにしようと
そう思っていた
だけど…
あんな事になるなんて…